「問いかけの作法」を読んでいる。
安斎先生の長年の探求がギュッと詰まった本です。
はじめにで、紹介されている安斎さんの課題意識、「誰しもが心の中に魅力と才能を
秘めており、それが必ずしも全ては発揮できていない。ちょっとした環境の要因によって
ポテンシャルが抑圧されているのではないか」に共感しながら読み進めた。
「野生の思考」とは本の中で紹介されているフランスの人類学者の話。
彼は大量生産時代のトップダウン方式の組織形態に見られるような、「近代合理主義的な
思考方法」を批判的に問い直し、代わりとなるアプローチをアマゾン川の未開民族に
見出したと言う。
アマゾンでは目標と計画を立てたところで、目標達成のために考えられた道具を調達
できるとは限らない。現実的には、"たまたま"身近にあった道具を用いて試していく。
その道具が役に立たなければ別の道具を試す。いろんな"ありあわせ"で間に合わせていく
やり方。
その時の状況に応じて、手近にある道具を"寄せ集めて"使いながら、
"さしあたりの目的"を達成する。
この未開人の仕事のスタイルこそが、人類にとって創造的で普遍的な思考方法であると
フランス人類学者は言ったのです。それを「野生の思考」と名付けた。
上記で" "と表した言葉は、
「たまたま、ありあわせ、寄せ集めて、さしあたりの目的」。
これらの言葉の印象って、場当たり的とか、無計画にと、感じるけど、
これこそが創造的で普遍的な思考方法だとすると、僕は面白いな。
こんな風に皆んなが其々の場当たり的な知恵を出しあいながら、
全体と調和できる関係性だと、野性味あふれる組織で面白いなぁ。
そんな世界に近づきたい。