スーパービジョンについて考える。
コーチや組織開発コンサルタントといった対人支援のプロであっても、自分を客観視
し続ける視点を持つ事がときには難しい。なのでコーチも自分のコーチングを指導者から
助言を受ける機会をつくる、これがスーパービジョンだ。
深層心理学では、他者の分析を行うに際して、分析家にも同様の問題があると、相手を
使って自分の問題を解決してしまう傾向があるという。支援する側が、自らの問題を相手
に投影して相談事例にのみ込まれてしまうことなどだ。
支援者は常に、戒めの念を持って自らを振り返る姿勢が必要だ。しかしながら、プロが
分析を行う場合にも、他者のシステムに巻き込まれる事は必然だといわれる。
人間関係が織り成すシステムの外側から認識を高めて客観性を保つ、そのためにスーパー
ビジョンの力を借りる。
それでも完全に客観的である事は難しい。自分の中にあるものを人の中にも探して
しまう、そして同感、共感を求めたいのが人の本質でないだろうか。
自分が他者に巻き込まれることに自覚的でありながら、それでも自らの襟を正し、
相手のために何ができるのかを常に問い続けていたい。