リフレクション(内省)と対話をテーマに話をすることになっている。
なぜ内省と対話がセットで必要になってくるのか、その考えを深める。
内省とは、自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為。なぜビジネス文脈でも内省が
必要な時代なのか。それは、先行事例がない正解がわからない、従来型の問題解決思考
では対応できない、自分の頭で道を拓いていかないと生き残れない、そんな時代背景が
あるだろう。
僕らの手には課題が満載、毎日が慌ただしく、環境に流されている感覚に陥る。
そのような状況で足りないのは、新しい知識や優秀な人を入れることではない、
「自分自身、私たちチーム自身と向き合うこと」こそが求められている。
いたずらに外側から新しいものをインプットして剣と鎧を備えることではない、
自分自身と向き合い人間のOS(学ぶ力)をアップデートし続ける。そして学び、自分自身を
高め続けるためには「メタ認知力」を強化する、自分自身の思考や行動そのものを対象化
して認識する、つまり、自分を冷静に見つめて掴みとる思考的な営み。
深く見つめるためには、事実や経験に対する自分の判断や意見を、「意見」「経験」
「感情」「価値観」のいわゆる認知の4点セットで可視化して、自分の内面を多面的に
深掘りし、柔軟な思考を持つことが大切だ。
そして、対話。哲学者ソクラテスがいつも対話を始める際に語っていたのは、「私はこの
ことを知らない。だからあなたと一緒に議論したいのだ」という姿勢。
ある程度はわかっているという思い込みを壊して、自分自身を冷徹に見つめ、過去の経験
と他者からも貪欲に学ぶ姿勢が「内省と対話」に繋がる。
対話が目指すものは「新たなものの創造」だ。
言葉を語り合うことで、わたくしたちは思考し考えを進め、特定の主題について知恵を
出し合い合意を目指す。対話とは、単なる会話やおしゃべりではない、2人が新たなもの
を創造するために、自立した自由で開かれた精神で交わるものだ、そこには恐れや対立が
あっても勇気をもって超えて目指す世界があるのだ。