こにたん、組織開発の日々

2022年4月より組織開発を生業に。始める前から天職の確信

今を置き去りにしない

 

企業内不正が相変わらず続く社会。人事に身を置くものとして考える。

 

問題が起きると風土改革が叫ばれる。

風土改革の難しさは、「だれの仕事かはっきりしていない仕事」だろう。

問題が起こったときには注目されるけど、普段は風土改革を専門にやる人はいない。

経営から従業員まであらゆる人の営みで風土は形成されるけど、通常のオペレーション

仕事の領域ではない。

その中でだれが中心に、風土改革を進めたら良いのか?

 

それは「経営の意思決定者と、現場の痛みをキャッチできる層のコンビネーション」

なのだろう。そして組織開発は、アプローチへの有効な武器となる。

 

組織の歪みが現れやすい権力構造やランクの低いところ。

弱さと痛みにアンテナを張り意識を向け、組織の中で語られない声なき声を掴むこと

から、適切な風土づくりが始まる。

 

われわれ人事が現場の声を掴むことは、経営に物申せる力の源泉。

現場で起こっている痛みや弱さの生情報を、労務産業医など社内の各部署とも連携して

お互いで分かち合うことも人事としては必要。

 

だけど、現実・現場で起こっている“今”のことはおざなりになりがち。

“未来”へ向けて人を駆り立てる、方針・制度・人財育成は盛んにやるのだけど、

従業員を取り巻く今の状況や気持ちが取り残されがち。

 

要求される未来と追いついていない現在に、引き裂かれるのが耐えられず、

不正やメンタル不調が問題症状として組織に起こる。

 

今を置いてけぼりにして、未来の成果を求めすぎない。

ええ塩梅の“折り合い”をつける、それは個人にも、チームにも、会社にも。

ほどほどで、みんなが笑顔になれる妥協点をつくっていこうよ。

 

 

 

大切な2人からいただいたギフト

 

今年いちばんお世話になった2人へ感謝の言葉を贈りたいです。

自分独りではたどり着けなかった景色を、2人のおかげ様で見ることができました。

今まで生きてきた中でも最高のチームの形を、社内外で属性も世代も違うこの3人で

創れたことを、ぼくはとても誇らしく思います。

 

おふたりからいただいたものは一つの言葉で表せる。それは「スペース・余白」。

余白を与えてくれるので自分が陥っている状態に気付かされる、

そして自分を振り返れる、他者の考えと視点を取り入れられる、

そして次への成長に向けた拡張スペースを一緒に生み出してくれるんだ。

お二人との関わりの中で、人と人の間にある余白を生み出し、現在から未来へつなげる

拡張スペースを創る、そんなチームワークをつくれた。

 

今年は今までになく感謝感激感動を覚えた。

自分もその一部である器の中で、お互いに相互作用を働かせながら、その中で個人の

目覚めと変容が生まれる、それは自分の中にも相手の中にも。

それに接しられたときに、深い感動を覚えました。これもおふたりのお蔭様でした。

 

大きな大きな器になみなみと注がれている水。

器の中心から小さな円を描き続ける。諦めずに回し続ければ波紋を描き、やがてうねりと

なって自ら回りだす。この3人が渦の起点を創ったことで、チームに自律自転が芽吹いて

きたと思うのです。強く自分を生きようとする姿勢の、自律自転が。

 

うさぎちゃんに思うことは「あなたの存在自体がギフト。このタイミングで来てくれた

ことは天からの授かり物。そしてチームの要です」。僕にいろんな角度から気配り、

目配り、声掛けしてくれて、おかげで僕は自分の中に余白を生むことができました。

そしてあなた自身がチャレンジして変容し、周りとの境界線を踏み越えていく姿勢に

心動かされました、何度もね。

 

ちょりさんに思うことは「未来と成長への伸びしろを引き出してくれる人」です。

クライアントの成果にコミットしようとするあり方と関わり方は、自分が目指したい

プロの姿です。外側に座るコンサルタントではなく半身以上に我々の領域に入り、時には

ネガティブシャワーを受けながらも、懸命に我々チームの最上を考え続けてくれる存在。

私以上に、チームメンバーとポテンシャルを信じて関わってくれたからこそ、チームの

変容が芽吹いてきたと思うのです。あなたのように真心で真剣に踏み越えられる勇気を、

僕の中にもしっかりと育てていきたい。憧れの存在です。

 

お二人のあり方と関わり方を受けて、僕自身が変容することができました。

一年を終えてチームメンバーは「変革が自分たちのものになりつつある」と感じている

のでは。そしてそれは自分たちが成し得たことで、自分たちで道を拓く気概を持てるよう

になってきたのでは。とっても嬉しいチーム状態です。

だけどこれは決して、自然発生で生まれるものでは無い。

 

誰かが皆んなを信じて、水の中で静かに小さな円を描き続けることから始まったうねり

です。それを一緒にやり続けてくれたおふたりに僕は、早くも戦友の想いを感じて

います。来年は僕が立ち位置を増やすので、お二人との濃密な関わりが薄れること

でしょう。わちゃわちゃしていたい僕はおふたりを独占していたいのですが(笑)、他の

メンバーと関わりを増やすことで生まれる大きなものに期待して独占を手放します。

 

そして僕は、もう一つの立ち位置から渦をつくり、2つの渦から生まれるうねりを接続

していきます。この3人を結ぶ三角形の面積が増えれば増えるほど、うさぎちゃんが

言ってくれたように「いろんなことができる。確信がある」それに近づけますね。

 

本当に出逢えて良かったです。

充分に休んでエネルギーチャージをしてください。

そしてまた、元気に再会しましょうね。良い年をお迎えください。

 

 

 

運命を切り拓く力をどう養うか

月間致知 読書感想文12月号 薬師寺大谷住職の話を読んで

 

薬師寺の大谷住職は言う、

「人と人との出逢いは命がけ、命と命の出逢い。よっぽどの縁だと」。

 

若い頃自分は、人との出会いにそんな気持ちを持つ事はなく、

斜に構えて人を真正面から見ることができなかった。

自分の見たいように人を見る、そして対人関係でうまくいかないことがあれば、

その人が悪いように見えていた。なぜ自分のことを、自分の努力をわかってもらえない

のだろうかと。

 

確かに、人は命の存在だ。そして不思議な巡り合わせで出会い、また別れていく。

自分が本当に人のご縁に感謝できるようになったのは、自分が苦しくなった時、トンネル

の中をさまよった時だ。その出口に光を見いだすことができたのは、出会った人から

いただいた機会だった。

 

人に気づきや学びの機会をもたらしてくれる人との出会い、それはよっぽどの縁だ。

以前はそういう特別な人との出会いを求めていた。だけど、人事の仕事に就き多くの人と

接することが増えて、周りにいる普通の人からいろいろ学べるのだと気付かされた。

 

特別な人ってなんだろうか?知識経験があり、肩書名誉があり、人に影響力を与えるよう

な人。そんな人には、憧れるが、そんな人からだけ学べるのではない。

誰でも自分と違うものを持っていて、懸命に生きる生きたい心を持っていて、違う心を

持つ人から色々学べるのだ。

 

大谷住職はまた言う。「運命は、命を運ぶ。誰かが運んでいる命」。

自分の命を運ぶハンドルをしっかり握りながら、同時に、自分が大きなものに運ばれて

いるような感覚がある。知らず知らずに運ばれて、よっぽどの出逢いに恵まれていく。

生きて人に出逢うことを、これからも思う存分楽しみたい。愉快な人生へ。

 

 

自分の中にあるインクを出し切る

月刊致知11月号感想文 

 

「消えそうで消えないマジックペンみたいなのが岩田稔」、

阪神ピッチャーの岩田が引退前年に450日ぶりに勝利を上げて叫んだ声。

 

マジックペンは字が薄くなっても、時間を空けるとまた書けるようになる。

消えないのはまだインクが残っている。インクを出し切って生きる、その宣言だった。

 

やられた、読んでじわじわと心がさざめいた。

最近ぼくは気付いた、自分の軸は商社マンだと。

人事畑に転向してコーチング、キャリコンや組織開発を学び、この領域でのプロ度を

増そうとしてる。だけど、ぼくは人事マンになりたい訳じゃないんだ。

人事を領域とした商社マンでありたいんだって、気づいたんだ。

 

同じ会社に勤め続け50を過ぎて、見方によっては出涸らしの年代に差し掛かっている。

そんなふうに見られたって構わないじゃないか、と岩田がぼくを明るくどやしつける

ようだ。彼はずっと一軍で投げられない時も「困った時の岩田」であろうと決意して

備えていた。彼がなかなか現役を引退できなかったのは、入団会見時に「1型糖尿病患者

の希望の星になりたい」と宣言し、プロで投げ続けることで誰かへ「なんだってできる

よ」を示すためにマウンドにこだわったそうだ。

 

自分であることを諦めない。自分のインクが残っていて、困った時に誰かのお役に立てる

のであれば、まだまだやれる。「商社マンとして、未来を拓く挑戦をする」。

かつて憧れた商社マン、そこに近づけるように、まだ未だインクを出し切ろう。

俺の出番はある。

 

 

へこたれない

 

吐露できる相手がいて、言葉にできることのありがたさ。

 

率直なフィードバックを職場の仲間からもらった。

正直、傷つく。

でも、自分に矢印を向けて変わりたいと思う。

 

彼からいただいた直言、「相手を主として考えて、その時にふさわしい関わりって考えて

いますか?ペースを押し付けられていると思う人、いませんか?

もう少し冷静になって、ご自身の傾向、癖などを深く考察いただきたいです。

それであって初めて相手に向き合うことができると思っています」。

 

直言をいただけるのは、相手の期待なんだよなぁ。

それに応えて、相手とチームへ自分が貢献できるように、自分を変えていきたい。

 

自分が変わることで、この仲間との世界がより良くなるのであれば、

傷つきながらも頑張れる。

 

今日一日、仲間とたくさん過ごす時間がある。

それを味わい尽くすことから、自分を変えていこう。

 

信じて待つ


月刊致知10月号 読書感想文

世界の頂点を如何に掴んだか

 

栗山さんの「選手を信じて待つ」、「監督は、決める係と人が一番やりたがらない嫌なことを率先してやる」。心に響いた言葉です。

 

僕は今、強い組織づくりに向けて情熱を注いでいる。

現場の顧客へ組織開発の支援を提供するために、僕ら内部のチーム自身が成長することがとっても大切だと思っている。

僕ら自身が強くなければ、顧客へ価値を提供することはできない。僕ら自身の器を大きくしない限り、人の力にはなれない。

 

チームの力が強くなるには、自分のために動いているだけでは無理だ。

目の前のお客さんの為、この仲間の為、そして新しくチャレンジをして価値をつくろうと、自分以外のもののために働いていくことで、チームが強くなると思う。

 

ときには、仲間の言動に失望したり、仲間を疑ったりしたりもする。

その心には、結局、自分が相手を信じ切れない弱さがあるのだ。そしてまたエゴ、自分が得をしたい、自分だけ成長したいという損得勘定も潜んでいるだろう。

 

人を信じて待つ、自分が1番嫌なことを率先してやる、どうしたらそんな生き方ができるのだろうか。横田さん曰く「私は伸びていくか否かの差は「何を願うか」だと思います」。

 

ぼくは何を望んで、強い組織づくりの仕事に情熱を燃やしているのだろうか。

自分を含めた私たちの世界をより良くしたい。仲間の中に自分を含んで、生きがい、

働きがいのある世界をつくりたい。独りでたどり着けなかった世界へ仲間となら行ける。

自分独りじゃ見れない景色を、仲間と見たいんだな。

 

 

未来を創る気概

月刊致知 9月号読書感想文 「時代を切り拓いた近代日本のイノベーターたち。米倉誠一郎

 

イノベーションはあくまで手段に過ぎない」と米倉さんは言う。

そもそもなぜイノベーションが必要なのだろうか。

 

今までになく新しい、時にはガラガラポンと今までの仕組みをひっくり返すような

革新的なものがイノベーションだ。経済や社会の仕組みを変え、そして人のマインドに

大きな変化をもたらす。

 

革新的な未来をありありと想像して、その実現に向けて意図的に思考し行動し仲間を

巻き込んでいく、そんなビジョン創造型の人もいるかもしれない。スティーブ・ジョブズ

のような、常人には想像がつかない未来の姿を描いて実現していくタイプ、そんな人に

憧れるけど、自分はそのような未来創造は思い付かない。

 

自分はイノベーションを起こしたいのかというと、そうでは無い。

ただ、組織の中で働く人のマインドに大きな変化変容を生み出したい。

それが、生み出された後の世界から振り返って、結果的にイノベーティブな時代であった

と振り返られれば素敵だ。

いま僕は、会社で仲間をつくり巻き込む新しい実験的な試みをしている。

「強い組織づくりの実践道場」と名づけた、人づくりの道場なんだ。

組織の中で働く人が、縛られたり抑圧されたり、そんな思いをするのではなく、組織で

働くことが創造的な歓びであると思えるような世界を創りたい。そう思えるように、

人のマインドに変化をもたらしたいんだ。

米倉さんが紹介した明治維新や戦後の近代日本をつくった人達の話、彼らが結果として

成し遂げたイノベーションの源泉は何だったんだろうか。

 

獅子奮迅で走り回る気概、その想いの強さこそが、大きな変化変容を生み出す突破力だ。

ぼくの心中にマグマがある、それをかき混ぜ沸々とたぎらせるのは人と接してこそだ。

人と交わり、現場の喜怒哀楽を感じながら、痛みを乗り越えて喜びを分かち合おうとする

ことから、現状打破への想いが育まれてくる。

さぁ、まだまだ人にまみれて生きていこう。