未来を創る気概
月刊致知 9月号読書感想文 「時代を切り拓いた近代日本のイノベーターたち。米倉誠一郎」
「イノベーションはあくまで手段に過ぎない」と米倉さんは言う。
そもそもなぜイノベーションが必要なのだろうか。
今までになく新しい、時にはガラガラポンと今までの仕組みをひっくり返すような
革新的なものがイノベーションだ。経済や社会の仕組みを変え、そして人のマインドに
大きな変化をもたらす。
革新的な未来をありありと想像して、その実現に向けて意図的に思考し行動し仲間を
巻き込んでいく、そんなビジョン創造型の人もいるかもしれない。スティーブ・ジョブズ
のような、常人には想像がつかない未来の姿を描いて実現していくタイプ、そんな人に
憧れるけど、自分はそのような未来創造は思い付かない。
自分はイノベーションを起こしたいのかというと、そうでは無い。
ただ、組織の中で働く人のマインドに大きな変化変容を生み出したい。
それが、生み出された後の世界から振り返って、結果的にイノベーティブな時代であった
と振り返られれば素敵だ。
いま僕は、会社で仲間をつくり巻き込む新しい実験的な試みをしている。
「強い組織づくりの実践道場」と名づけた、人づくりの道場なんだ。
組織の中で働く人が、縛られたり抑圧されたり、そんな思いをするのではなく、組織で
働くことが創造的な歓びであると思えるような世界を創りたい。そう思えるように、
人のマインドに変化をもたらしたいんだ。
米倉さんが紹介した明治維新や戦後の近代日本をつくった人達の話、彼らが結果として
成し遂げたイノベーションの源泉は何だったんだろうか。
獅子奮迅で走り回る気概、その想いの強さこそが、大きな変化変容を生み出す突破力だ。
ぼくの心中にマグマがある、それをかき混ぜ沸々とたぎらせるのは人と接してこそだ。
人と交わり、現場の喜怒哀楽を感じながら、痛みを乗り越えて喜びを分かち合おうとする
ことから、現状打破への想いが育まれてくる。
さぁ、まだまだ人にまみれて生きていこう。