自分の中にあるインクを出し切る
月刊致知11月号感想文
「消えそうで消えないマジックペンみたいなのが岩田稔」、
元阪神ピッチャーの岩田が引退前年に450日ぶりに勝利を上げて叫んだ声。
マジックペンは字が薄くなっても、時間を空けるとまた書けるようになる。
消えないのはまだインクが残っている。インクを出し切って生きる、その宣言だった。
やられた、読んでじわじわと心がさざめいた。
最近ぼくは気付いた、自分の軸は商社マンだと。
人事畑に転向してコーチング、キャリコンや組織開発を学び、この領域でのプロ度を
増そうとしてる。だけど、ぼくは人事マンになりたい訳じゃないんだ。
人事を領域とした商社マンでありたいんだって、気づいたんだ。
同じ会社に勤め続け50を過ぎて、見方によっては出涸らしの年代に差し掛かっている。
そんなふうに見られたって構わないじゃないか、と岩田がぼくを明るくどやしつける
ようだ。彼はずっと一軍で投げられない時も「困った時の岩田」であろうと決意して
備えていた。彼がなかなか現役を引退できなかったのは、入団会見時に「1型糖尿病患者
の希望の星になりたい」と宣言し、プロで投げ続けることで誰かへ「なんだってできる
よ」を示すためにマウンドにこだわったそうだ。
自分であることを諦めない。自分のインクが残っていて、困った時に誰かのお役に立てる
のであれば、まだまだやれる。「商社マンとして、未来を拓く挑戦をする」。
かつて憧れた商社マン、そこに近づけるように、まだ未だインクを出し切ろう。
俺の出番はある。