自分も問題の一部
今日はループ図を考える。
現場の組織課題を見つめるために、問題症状の因果関係を明らかにしようとする試みを
している。最近はループ図を書いている。これは現実の複雑性を理解するために、物事の
つながりや全体像を見てその本質を捉えようとする営みだ。
問題症状を分析対象として、自分とは別の世界にある問題だと批評的に見るのではなく、
自分も問題の一部かもしれないとする世界の見方がループ図の根底にある。
この考えを「システム思考」といい、問題をより大きな問題の一部として捉え、他の部分
とのつながりを考える。
一方、世の中に多いのは「分析的思考」であり、これは問題を全体を構成している部分に
分割して捉える。分析的思考では因果関係を直線的につながっていると捉えるが、
システム思考では問題の相互関係を捉えて循環していると考える。分析的思考は直線的に
捉えるので、"風が吹くと桶屋が儲かる"的な考えだ。
ただ現場の問題ってそんな単純なものではない、複雑な原因があり絡まった糸のように
もつれている。表面に出ている問題症状の出来事を深く掘り下げていき、行動パターン、
パターンを生み出す構造、問題を作り出す構造理解に踏み込むのがシステム思考だ。
複雑に問題は絡み合っている、そして自分もその問題症状を作り出している原因の一部
かもしれないと気づけた時に人は、自らも変えながら問題解決に当たろうと動き出す。
そんな現場の行動変容を支援するために、ループ図を書き続けている。