組織文化
先日あるグローバル電機メーカーの人事担当者の話を伺った。
中期計画の人材戦略のビジョンとミッションを、多国籍なメンバーで半年間かけて
策定したストーリー。
日本本社の人間だけ作るのでなく、次世代を担うリーダー層を欧州、米州、アジアから
選抜し、2つのチームに分けて人材戦略作りを行った。メンバーのうち日本人は半分位で
ある。面白いなぁと思ったのは、組織文化の「カルチャー」の話題。
よく日本ではカルチャーを変えると言うし、それを米州メンバーも違和感を感じなかった
そうだ。
ところが、欧州メンバーは「カルチャーはそれぞれ固有のものであり変えられない。
カルチャーを変えるのでなく人の心を変えるマインドセットだ」との意見があり、
人材戦略のビジョンでは「マインドセット」を文言として採用したのだ。
多角的な視点を出し合い、互いに磨いていく面白さをこのエピソードに感じた。
久しぶりに中竹竜二さんのウィニングカルチャーを手に取った。
彼は言う、企業の根底に組織文化はある。社員の「行動、言葉、習慣」、それを支える
「仕組み、制度」、そしてその底辺に組織文化がある、表面に現れにくい部分だ。
そしてまた、組織文化は無意識の中にあり、無意識的行動に大きく影響している。
組織文化の中には、自分たちにとって望ましいもの望ましくないものが混在している。
無意識的な行動に自覚的になる。そして組織文化を最良のものに進化させていく。
中竹さんの言葉で好きな一文、「強い組織や最強の集団は、常に自ら問いを投げかけ、
組織文化を進化させている。問い続ける組織文化こそ、ウイニングカルチャーと言うので
はないでしょうか」。
「良質な問いを持つ」、自分にとっても一貫したテーマだ。