今、ここ、自分を精いっぱい生きる
青山俊董さん横田南嶺さんの対談 より
我愛と不害。
お釈迦様の弟子が自分の考えを突き詰めて、「自分がいちばん可愛い」に行き着いたと。
それに対してお釈迦様の言葉は、「人の思いはいずこへも行くことができる。されど何処
へおもむこうとも、人は己より愛しいものを見いだすことはできぬ。それと同じく
他の人々も、自己はこの上もなく愛しい。されば己の愛しいことを知るものは、他の者を
害してはならぬ」。
これに尽きるなと感じた。
自分が愛しいのは本能だ。
それを認めた上で、そこから転換して、自分が愛しいと思う者は他人を害しては
ならない。自分を深く愛すると同時に、他者も愛しようとするから成り立つ、不害の心。
自分を愛して自分らしく生きようとする。
人は関係性の中で成り立っていて、自分らしく生きようとする中で、他者との葛藤や軋轢
も生ずる。その中で、いかに他者の生き方を尊重し愛することができるのか。
相手か自分の二者択一では無いと思う。
相手を愛するって、無心から来るのかな。
仏教で言う無や空は、大きく肯定する世界だと言う。
無は、ないと言う意味もあるが、「草木の豊かに茂ること」の意味もあるそうだ。
無心の中から、相手も自分も愛する豊かな心が、生まれてくるように思う。