こにたん、組織開発の日々

2022年4月より組織開発を生業に。始める前から天職の確信

関係論

 

哲学者内山節さんの寺子屋、今日はそのメモです。

 

昔は自然(しぜん)という言葉はなかった。

自然(じねん)=おのずからしかりの意味。

明治になって Nature の訳語に自然(しぜん)が用いられた。

 

日本では自然と人間を分けるという発想がなく、自然、人間といった実体を現象として

捉え、本質は現象を生みだす根本にあると考えた。

 

2~3世紀の南インドの仏僧・龍樹。空(くう)は捉えることができない。

本質は関係からつくられる。関係という本質が色んなものをつくり上げる。

関係は語ることはできない。把握できないが故に空。

 

あらゆるものが、相互的な依存関係によってつくられる。

あらゆるものが結び合って相互的な依存的関係をつくり、その中で本質がつくられ、

いろいろな実態が発生している。

ゆえに本質は掴みようが無い。

 

関係論としての自然(じねん)。すべては関係によって結ばれ、この関係からさまざまな

実体が生まれている。「おのずから」の関係こそが真理である。

 

作為のない関係、我執のない関係、清浄な関係 。

自然(じねん)の現れとしての自然(しぜん) 。人間は自我をもっているがゆえに

「おのずから」の関係をとらえそこね、関係をゆがめる 。

 

ゆえに自然(しぜん)は真理を知っているが、人間は真理をとらえられないでいる。