痛みがあるからこそ
親子が分離されて生まれてくる。
「この世界にあるはずだ」と思っている大切なものが、
期待していた形では「ここには"ない"」というなんらかの欠損の痛みを持っている。
これは由佐美加子さんのメンタルモデル。
自分の心に空洞を感じる"ない"という感覚、欠損を感じるモデルを、価値なし、愛なし、
欠陥欠損、ひとりぼっちの4つと規定している。無いからこそ、これを希求して人生で
得ようともがいていく。それが人生の旅なのだろう。
由佐さんはいう、「人生で抱える現実の問題や悩みに対して、ひとりの人間の内的世界が
外側の現実を創り出しているという原理」、「痛みはどういう時に生じるかというと、
「自分の内側でこの世界に「ある」はずだと思っていたものが「外側の世界にはない」と
言う欠乏・欠損の認識が起きる時です。
人は痛みを感じたくなくて、その不快な感情を遠ざける回避行動として、
「闘うか、逃げる」かの行動を取っていると言う。自分の行動がどんな痛みに根ざして
いるか、自分を知ることはより良く生きること。
由佐さんの言葉が好きだ、「その痛みの奥にある、自分の生命がこの世界に願っている
情熱につながり、そこから人は生きられる」。
痛みがあるからこそ、人は懸命に生きるのだろう。