共に生きる
若松英輔さん「魂にふれる」より
生きていると、これからも必ず困難に遭遇する。
そこから逃げることを教える人ではなく、
君にそれを乗り切る力があることを教えてくれる人を、大切にしよう。
君にとって大切な人は、
君の望みをかなえてくれる人であるよりも、君の困難を共に生きてくれる人だ。
その人は、君の希望にすぐに応じることはないかもしれない。
君は、期待する言葉を受け取ることができなくて、失望するかもしれない。
でも、その人は、決して君から離れることはない。
望むものは、君が望むかたちで現れるとは限らない。
むしろ、そうではないことの方が多い。
悲愛に満ちた言葉は、ときに厳しく、険しい道へとぼくらを導く。
そこを通らなければつかみとることができない何かがあるからだ。