こにたん、組織開発の日々

2022年4月より組織開発を生業に。始める前から天職の確信

苦悩の意味

 

喜怒哀楽、その中で人は喜び楽しみを求めて生きている。

怒りや哀しみを求めて生きる人はそういないだろう、

だけどその二つは、自分自身を変えていく起動力。

 

怒りと哀しみ、それをずっと感じている事は辛いので、心の底に沈めていく、

場合によっては無かったことにして、人生の時計の針を前へ進めていく。

でもその怒りと哀しみを忘れようとして、自分の外側に積み上げていくものが鎧になった

り、自分のアイデンティティーを形づくった足場になっているのかも知れない。

 

過去の自分にあった怒りと哀しみ、そこに目を向けて光を当てられるようになると

「こんな自分でいてもいいのだ」と、我愛の心に至れるのではないか。

今読んでいる神谷美恵子さんの「生きがいについて」で、こんな一節があった。

 

『苦悩がひとの心の上に及ぼす作用として一般に認められるのは、それが反省的思考を

うながすという事実である。苦しんでいるとき、精神的エネルギーの多くは行動によって

外部に発散されずに、精神の内部に逆流する傾向がある。そこにさまざまの感情や願望や

思考の渦がうまれ、ひとはそれに眼を向けさせられ、そこで自己に対面する。人間が真に

ものを考えるようになるのも、自己にめざめるのも、苦悩を通してはじめて真剣に行われ

る。〜中略〜。

この意味で「人間の意識をつくるものは苦悩である」というゲーテのことばは正しい。

苦しむことによってひとは初めて人間らしくなるのである。』