未来をつくる心
さいきん神谷美恵子さんの本「生きがいについて」を反芻しながら読んでいる。
その中にある一節で、そうだなぁと得心した。
「生きがい感と幸福感とはどういう風に違うのであろうか。たしかに生きがい感は幸福感
の一種で、しかもその一ばん大きなものともいえる。〜中略〜その主なちがいを考えて
みれば、生きがい感には幸福感の場合よりも一層はっきりと未来に向かう心の姿勢が
ある。」
幸福感を覚えるのは今ここの刹那的な状態だと思うが、幸福はこのさき未来に続くかは
わからない、そこで未来を含めた手ごたえを感じるのが生きがいなのであろう。
続けて神谷さんはいう。
「現在の生活を暗たんとしたものに感じても、将来に明るい希望なり目標なりがあれば、
それへむかって歩んでいく道程として現在に生きがいが感じられうる。反対にはっきりと
した使命感を持つひとなどでは、現在の生活があまりにも幸福で、その幸福感が自分の
使命感を鈍らせると感じれば、自我の本質的な部分ではかえって苦痛を覚えるということ
もある。」
生きがいを感じられるのは、未来に向かうことに加えて、自我、自分の中心に迫っている
こともあるだろう。未来へ向かう延長線上として今がある、そして、今ここを生きている
私がどのように道を拓いていくのか。
中心軸にわたくしがあり未来へ向かう心、
その心構えをどうつくれるが、生きがいに繋がる。