こにたん、組織開発の日々

2022年4月より組織開発を生業に。始める前から天職の確信

豊かなものに包まれてる

 

『僕たちは24時間ほとんど音に囲まれて生きていますけれども、

 生存にあまり必要のない音は無視している。

 ゴーって音も通りの音も同等の存在理由があって、それは人間が勝手にいいとか悪いと

 か決めている。それはやめて公平に音を聞いたほうがいい。

 そういう態度をとって音に接すると、いかに普段自分というものが固定化された

 フィルターによって檻に閉じ込められているかということが見えてくる』。

 

坂本龍一の追悼番組で彼が語った言葉だ。

雨の音や、竹林を抜ける風の音、そういった自然の豊かな音に自分の音を足して音楽を

つくっていた晩年の映像だった。

 

ぼくらの日常には豊かなものがあふれている。

慌ただしい日常の中では意識しないと、そんな音や光たちを感じることができない

けれど、気づかないだけで豊かなものに包まれているのだ。

 

特別な事はなくても、些細な日常の中に芳醇さを感じられる心。

感じる心を、立ち止まって取り戻したい。

そんな感じる力がないと、自分だけの認識の枠組みの世界の中で慌ただしく日々を

過ごしているのかもしれない。それが檻なのだろう。

 

日常が檻であるのか、豊かなものを感じられる自由があるのか、

それは自分の内と外に耳を澄ませる心持ち次第なのだろう。