組織開発とは何か、実装するための力だと思う。
経営トップがビジョンを語り企業のありたい方向性を示す、それを実現させるための
仕組みとして人事制度がある。社員に成果を出してもらうために目標管理制度があり、
中間管理職のマネージャーは現場と共に企業のありたい方向への推進力をつくる。
ビジョンという経営からの想いの提示、社員を動かす装置としての人事制度。
しかしながら、笛吹けども踊らずに陥りがちだ。
人の心を動かさなければ、経営や仕組みが狙いとする社員の行動変容は起こらない。
人の心に働きかけるために研修制度がある。
人事評価は、成果をあげたら報酬が上がるよという人参ぶら下げ型で外発的動機に働き
かけるもの。一方研修は、一人ひとりの心の変容を狙いとして内発的動機に働きかける
もの。ただ、難しいのは、頭で理屈でわかっても行動変容には至らないこと。
ひとりが変わっても組織全体では変わりにくいこともある。そこで組織開発の力だ。
組織開発とは、関係性に働きかける個人単位ではなく組織全体に働きかけるアプローチ。
組織全体を観て、揺らぎを起こし問いを投げかけ、一人ひとりが自ら考えて、結果として
行動変容が起きることを促進するアプローチだ。
いまの時代の個人と企業の関係は、「お互いに選び・選ばれる個人と組織」だ。
そしてその中で自律的人材が求められる。仕組みだけでは人は変わらない、人は自ら
変わりたくなって初めて、行動変容が起こる。
人の心に働きかけ、現場が自ら動いていくこと、経営トップの想いや制度が狙うことを、
現場に実装する力それが組織開発だ。