立ち止まる力
昨日はグループ会社の人事担当者も交えた勉強会で、パネルディスカッションのパネラー
としてお話をした。皆さんに関心があるテーマを複数の中から選んでもらい、いちばん
得票を集めたテーマは「とにかくみんな忙しい、というか人事も忙しい」だった。
忙しいの語源は、急ぐから来ており、「いそ」は息苦しい、気が激しく動く様を意味
する。息苦しく、気ぜわしく、心をなくしてしまうのが忙しいだ。
なぜこんなに追い詰められた状況に、僕らの身の回りはなってしまうのだろうか。
こんな会社や職場じゃ息が吸えるスペースがない、何かに追いまくられている環境だ。
何のために、忙しくしているのだろうか。
パネルディスカッションでぼくが最後に伝えたのは、
「人事の力はなんだろうかと考えます。それは立ち止まり問うことではないかと
思います。経営に対して、現場の皆さんに対して、そもそもやなぜ、を問えるのは
人事だからこそではないでしょうか」。
みんな何かに追われ、生き急ぐように忙しくしている。だけど僕ら人事は立ち止まって、
経営や現場の困り事や課題は何かを、見つめる役回りだ。現場の困りごとを起点に、
本質的な解くべき課題は何かを深く考えるためには、立ち止まる力が必要だ。
誰かが立ち止まらなければ、会社の皆んなは回し車のネズミのように、心をなくして
走り続けるだけだ。誰かが立ち止まり、みんなに問う、何の課題をわれわれは解くべき
なのか。何のためにこの生を使っていくのか。その起点になるのが人事ではないか。