こにたん、組織開発の日々

2022年4月より組織開発を生業に。始める前から天職の確信

立ち止まる力

 

昨日はグループ会社の人事担当者も交えた勉強会で、パネルディスカッションのパネラー

としてお話をした。皆さんに関心があるテーマを複数の中から選んでもらい、いちばん

得票を集めたテーマは「とにかくみんな忙しい、というか人事も忙しい」だった。

 

忙しいの語源は、急ぐから来ており、「いそ」は息苦しい、気が激しく動く様を意味

する。息苦しく、気ぜわしく、心をなくしてしまうのが忙しいだ。

なぜこんなに追い詰められた状況に、僕らの身の回りはなってしまうのだろうか。

こんな会社や職場じゃ息が吸えるスペースがない、何かに追いまくられている環境だ。

何のために、忙しくしているのだろうか。

 

パネルディスカッションでぼくが最後に伝えたのは、

「人事の力はなんだろうかと考えます。それは立ち止まり問うことではないかと

思います。経営に対して、現場の皆さんに対して、そもそもやなぜ、を問えるのは

人事だからこそではないでしょうか」。

 

みんな何かに追われ、生き急ぐように忙しくしている。だけど僕ら人事は立ち止まって、

経営や現場の困り事や課題は何かを、見つめる役回りだ。現場の困りごとを起点に、

本質的な解くべき課題は何かを深く考えるためには、立ち止まる力が必要だ。

 

誰かが立ち止まらなければ、会社の皆んなは回し車のネズミのように、心をなくして

走り続けるだけだ。誰かが立ち止まり、みんなに問う、何の課題をわれわれは解くべき

なのか。何のためにこの生を使っていくのか。その起点になるのが人事ではないか。