受け身
仕事が始まり、年末年始の弛緩した身体と精神からピリリとした世界へ、引き戻される
感じだ。今年走ろうと思ってなかなか踏み出せていなかったが、仕事が始まってから
ランチタイムの合間に走り出した。
弛緩した心に火をつけるのに、外的刺激もひとつのスイッチになる。
仕事が始まると締め切りや他者との調整、せかされる気持ちにもなる。
外の世界の刺激に対して受け身で反応的な自分であると、流されやすく感情的になりがち
だ。忙しい日常が始まると自分の心持ちをしっかり保てているかを、改めて意識する日々
が始まる。
しかしながら受け身、これも悪くないのではと想う。
自ら対象に働きかけるのではなく、対象からの働きかけを受けるのを受け身、受動的と
いう。受け身的な姿勢はネガティブに捉えられることもあるが、快い人との距離感を
保ちながら自然な相互作用の力をうむには、受け身な心持ちが塩梅良いのかも知れない。
武道では攻撃より前に受け身から学び始める。
受け身は簡単なものではない。筋力とバランス感覚があった上に技術を学んで、受け身が
できるようになる。対人関係の受け身では、相手を受けとめ当意即妙で応答できる
"しなやかさ"が筋力やバランス感覚なのかもしれない。
常に自分は変化し続けていて、外的環境との相互作用でまた自分も変容していく。
受け身も愉しみながら、自分をまた前へ進めたいと思う。